【保険】医療保険について考えてる人向けに説明してみる。
いきなりですが、保険と聞いた時のイメージってどうでしょうか?
正直な話、僕は保険代理店で仕事をするようになるまでは、”ともかく難しいもの”というイメージでした。
保険商品の販売をしはじめて感じたのは、ある程度パターン化されているということでした。
商品も時代に合わせて微妙に変化している部分もあるのですが、基本のルールは同じなのでほとんどの商品で応用が利きます。
そしてほとんどの医療保険で共通して言えることですが、まず間違いなくお客様が損をします。
これはもう大前提としてそういうものだと思って加入したほうがいいです。
家借りる時に火災保険入りますよね?
家を買った時も火災保険とか地震保険入ると思います。
自動車を買った時も保険入ると思うんです。
でもほとんど使うことはないですよね?
それでも保険に入ってる。
受け取りについて損得で考えたら、ほとんどの生命保険でも損害保険でも入らないほうがいいでしょう。
予期せぬ事態に備えるために加入するのが保険だと思います。
この順番で説明していこうと思います。
※2019年前後に販売されていた医療保険をベースに解説しています。
①医療保険とは
まずは医療保険がなにか、どういう時に利用できるのかという所から。
医療保険とは病気やケガで入院や手術、通院したりした時に、契約時に決められた金額を、支払い条件にしたがって払ってくれる商品です。
入院日額一万円とかだったら、入院日数×一万円とか。
ガンで入院したら一時金100万円なら、ガンで入院した時点で100万円とか。
契約時に日額いくら手術でいくら、特約で通院したらいくら、ガンでいくらとか。
そういった保障内容を最初に決めて、その内容で契約して毎月支払いしていく形です。
基本的には掛け捨てという契約になってまして、契約者側からすると支払った金額は毎月捨てていってます。
積み立てていっているわけではないので、高額な保険商品を勧められて10年20年払ってて病気に一切ならなかったとか言ってもお金は返ってきません。
僕は必要だと思っているので医療保険にも加入していますし、実際に腎臓癌の治療と、転移性多発性脳腫瘍の治療で助かっていますが、滅多にある事ではありません。
60歳になるまでに入院する人は、そもそも少ないです。
ですからほとんどの人が医療保険に入っても損をします。
安易に勧められたからと加入せずに、メリットとデメリットをしっかり理解したうえで申し込みをすることを勧めます。
あまり細かく考えたくないとか、聞いてもやっぱり理解できないという人は、全国共済がおすすめです。
60歳以上の方や、心配事がはっきりとしている方は、おすすめが変わってきますのでまずはこのまま読みすすめてください。
②共通している部分
色々あります。
保険期間、保障日数、保障対象あたりはだいたい同じかなと。
以下で解説します。
・保険期間
終身型か定期型。
終身=一生涯 という意味です。死亡保険とイコールにしているお客様は結構いらっしゃいましたね。
定期というのは一定期間ですね。10年とか20年とか。70歳までとか80歳までとか。年数や年齢を決めて「そこまでは保証しますよ。それ以降は保証しませんよ。」という形。
終身型より保険料は基本的に安いです。
気を付けないといけないのは、年数で加入した場合「更新型」と言われるもので加入していることになるかと思います。
更新型は加入時は確かに終身型の保険に比べて保険料を抑えられるのですが、更新時に更新時の年齢で保険料を再計算しますので40代50代くらいならまだしも、60代や70代や80代での更新時の保険料がとんでもなく高くなります。
商品によっては2倍くらいの保険料になることもあります。
そうなると営業マンは、保証を下げて保険料をそれまで払っていた保険料と同額くらいになるように提案してきます。(やめては欲しくないから)
かんぽ生命で問題になっていますが、こういう更新時により高額な保険に入り直させることによって自分の成績にしようとする営業マンもいますので注意が必要です。
TVCMなんかでやたらと安い金額の医療保険や死亡保険なんかは、だいたい10年定期(更新)の保険のことが多いのでよく考えてください。
更にどれだけ高額になっても更新したとしても、決められた年齢までしか更新が出来ないように作られています。
最近の保険商品だと、85歳までとか90歳までが多いと思います。
長生きして、保険が切れてから入院や手術しても何ももらえません。
医療保険以外でもいえますが、終身型がいいか定期型がいいかはしっかり考えたほうがいいです。
・保障日数
いち入院何日まで、合計何日まで、という部分は各社結構似ています。
最近の主流はいち入院60日型で合計1000日か1095日とか。
・保障対象
入院給付の対象はほとんど共通していると思います。手術の給付対象はすごく地味に違いがあることがあります。
最近販売しているものは健康保険に準拠していることが多いので、「約1000種類に対応しています」となっていると思います。
健康保険が適用されれば、ほとんど給付を受けられると思いますので使いやすいです。
明細書の手術の項目に医療報酬点数が付いているかどうかでも判断できますが、最近だと同意書を書くでしょうから手術をしたかどうかはすぐにわかるでしょう。
ひと昔前は「88種類の手術」になっていました。まあ正確には88分野という感じですが。
88分野のころは甲状腺の手術に対応出来なかったりとかありましたね。
もっと古い保険だと日帰りの手術に対応出来ないとか。
白内障の手術なんかは日帰りで終わることが出来たりもするので出なかったこともあって、高齢者の方なんかはいまだに白内障とか整形外科での手術なんかを病気と思ってなかったりすることも。
それらも含めて告知義務違反で保障されないケースとか、保険の売り方しか教わってない保険レディから、知らず知らずのうちに告知誘導されて告知を正確にしていなくて結果として告知義務違反になるケースとか。
話がそれました。
とりあえずこれから入る医療保険については手術の給付対象はそんなに気にしなくていいでしょう。
③勘違いしやすい点・主契約
いち入院というのは結構勘違いしやすいんじゃないかなと思います。
いち入院60日型って言われたらどう思いますかね?
入院したら60日までは保障してくれる。
間違ってないです。
じゃあ入退院繰り返した場合は?
実はいつ2回目の入院をしたかによって変わります。
そもそも「いち入院」というのが、入院してから退院するまでで一回ではありません。
退院後180日以内の入院は、いち入院と数えられます。
例えばいち入院60日型の場合・・・
例)
30日入院して30日後のまた入院しました。2回目の入院は長引いて60日入院しました。
答)
最初の入院の退院から180日経過していないので、2回目の入院も「いち入院」。
いち入院60日型なので、1回目の入院で30日、2回目の入院60日については30日分だけ給付対象。
2回の入院合計90日のうち、給付対象は60日
例)
60日入院して1年後にまた60日入院しました。
答)
最初の入院から180日以上経過しているので、2回の入院はそれぞれ、いち入院となります。
2回の入院合計120日のうち、給付対象は120日
180日というのは各保険会社で基本的に共通しています。
最近の商品だと特則でガンに関してのみ、いち入院も合計入院日数も無制限保障するという商品もあります。
その他、三大疾病入院日数無制限特則とか。
そういった点も商品比較する時に確認したほうがいいですね。
④勘違いしやすい点・特約
通院特約と三大疾病特約とかは誤解されやすいかなと。
・通院特約
通院だけでは給付されません。
基本的には退院後の通院を保障します。
商品によっては入院前と退院後の通院保障してくれる商品もあります。
僕の意見としては必要ないかなと。
理由としては、
そこそこ保険料が高いという点、
治療目的の通院でないと保障が受けれないので、診察だけだと保障されない可能性があるという点、
保障日数が少なく条件が厳しい点
「今って入院長引かないでしょ?通院保障あったほうがいいですよ。」
ぶっちゃけ営業マンが客単価を上げたいだけです。
退院後180日以内の通院30日まで払います。とか
入院前60日以内、退院後120日以内の通院30日まで払います。とか
年齢性別で保険料はもちろんかわりますが、日額5000とかでも毎月数百円とか数千円変わってきます。
ただ実際に使うとなったらですよ?
入院して治療した病気かケガで、退院後の180日とか120日とか何回通院しますかね?
それなら最近出てきた退院時一時金とか入院一時金とかにお金かけたほうがいいですよ。
損害保険にあるケガ保険の通院保障のなかには通院だけで保障してくれるものもありますし、ガン保険のガン通院特約の保障日数は無制限だったりしますから、そういう保障ならあってもいいと思います。
僕は医療保険の通院特約はいらないと思います。
・三大疾病特約
三大疾病になった時に一時金を給付します。
最近のだと1年に一回とか2年に一回とか、一度貰って終わりではなく、再発や新しく貰える条件をクリアすればまた受け取れるという形が多いかと思います。
三大疾病とは、ガン・脳血管疾患・心疾患のことです。
ただこれについては、
ガンは悪性新生物のみ
脳血管疾患は脳卒中のみ
心疾患は急性心筋梗塞のみ
を対象にする。
といった商品もあります。
ほかにも例えば、三大疾病一時金100万(2年に一度何度でも)という特約があったとして、ガンでもらって2年以内に脳梗塞になってもすでに三大一時金として給付を受けているのでもらえないって条件のところもあれば、三大疾病をガン一時金と脳卒中一時金と急性心筋梗塞一時金の三枠にわけてそれぞれで保障するという条件の保険会社もあります。
それぞれにメリットデメリットありますので、こちらもつける場合はよく考えたほうがいいです。
今でも一部あったと思いますが、何年か前のこの特約の給付条件は60日とか麻痺が残ってないとださないとか、言語障害がないとだめとか、結構給付条件が厳しかったので、結構前からはいってるよという人は一度給付条件確認したほうがいいかも。
⑤保険代理店に相談がおすすめ
電話とか来店型とか保険代理店も色々ありますが。
まずは相談がおすすめです。
なぜかといえば無料だからです。
相談する側からすると、どこの代理店から加入しても、同じ商品で同じプランなら保険料も内容も変わらず、代理店にたいして相談料のようなものも払う必要がないんです。
保険代理店というのは、お客様から直接代金をいただいていません。
ではどうやって稼いでいるかというと、保険会社から代理募集のマージンをもらって稼いでいます。
このマージンは当然保険会社や商品によってかわるので、代理店はより高いマージンを払ってくれる保険会社や商品を売りたいわけです。
この辺を利益至上主義でお客様のことを考えずに営業していくのか、薄利多売でもお客様のことを考えて営業していくのか。
見極めは保険商品に詳しければ、勧めてくる商品でわかるんですけど、一般の方には難しいと思います。
そこで2~3社程度は回ったほうがいいと思います。
保険会社そのものに相談するという方法もありますが、自分たちが販売している商品しか紹介できません。
保険代理店なら複数社のなかから、一番安いものとか一番条件がいいものとかを選んで紹介してくれます。
実際に申し込みをする際も申し込みの手伝いもしてくれますし、電話募集の代理店でも外交員がいたりするので、来店型でも電話募集型でも大した違いはありません。
ただし相談する代理店はできれば20社以上は取り扱いのある代理店にしたほうがいいです。
代理店が扱う保険会社の保険商品というのは勝手に扱っているわけではありません。
募集代理の契約を保険会社と結んで販売しています。
たとえばあなたが何かの商品の製造者だったとして、販売実績の少ないお店や、お客様からのクレームが多いお店で自分の商品販売してもらおうと思いますか?
そういった理由で僕なら取り扱い保険会社が少ない代理店に相談するのは、そもそも選択肢も少ないのであまり意味がないのかなと思ってしまいます。
逆に一番おすすめしないのがネットで自分で探して申し込むことですね。
理由としてはネットに載っていない商品が多すぎるということ。
保険会社や代理店からでないと計算できないプランとかがあるんですよ。
それと告知義務違反が怖いです。
たとえば細かいとこで言うと、白内障とか肩こり腰痛とか。
病気と思ってなくて告知しない人とかいます。
他にもちょっと眠りにくくてとかいって内科で7日分以上の睡眠導入剤とかもらうと、健康な方向けの保険に最低5年は入れなくなる可能性があります。
まともな営業マンならこういった告知漏れが起こりやすい部分を細かく聞いてくれます。
ちなみに聞いちゃうと告知してもらわなきゃいけなくなるので、あえて出てきそうな告知を質問しないという営業マンもいるので注意が必要です。
とはいえ何を告知する必要があるのかをそもそも知らない訳ですし、保険会社によっても商品によっても告知条件が変わってきます。
そういったあれこれを自分で全部やるよりは、詳しいやつ何人かに任せて、おすすめされたものを比較したほうが効率がいいと思うんです。
少々面倒だとは思いますが。
⑥保障額や保険料の安さより、保障条件の確認を!
そのまんまですね。
どれだけ保障額が大きくても条件が厳しくて該当する人がほとんどいないとか。
それじゃあ意味ないですよね?
冒頭で伝えた通り、医療保険はほとんどの人が損をするように作られているわけです。
それでも急遽病気で入院や手術でお金がかかるといった時に、備えてもらえるように。少しでも負担を減らせるようにと加入するわけじゃないですか。
だったら給付される対象は広ければ広いほうがいいわけです。
約款通りにしか保障はされないわけですから。
友人知人が大丈夫って言ってても意味ないんですよ。
よくしてくれる営業マンが大丈夫って言ってても意味ないんですよ。
約款がすべてです。
保障条件の確認をちゃんとしましょう。
そこだけは人任せにしてはいけません。
⑦最後に
思ったより長くなりました。
でも保険って実は人生における三大高額商品にうちの一つなので、真剣に選んだほうがいいと思うんですよね。
けっこうぶっちゃけ話もしてるので、医療保険選びの参考になればと思います。
それではこのくらいで。
お疲れさまでした!